ハロウィンの季節に大勢の人々が渋谷に集まる現象です。特に週末や、ハロウィン当日の10月31日はまともに歩けない程の人だかりとなり、一説によると、百万人を超える人が参加しているそうです。

2011年頃から、渋谷に仮装している人が集まるようになり、年々集まる人は増えていき、2016年からは歩行者天国が実施されるようになりました。​

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この現象の特筆すべきところは主催者がいないことです。中心となる扇動者やシンボル、運営者や責任者が不在のまま行われる自然発生的な現象です。事実、ハロウィン期間中の渋谷の街にはハロウィンの飾りは殆ど飾られてありませんでした。

現地にいて奇妙な気分になりました。人は多くいるのですが、普通のお祭りのような一体感を感じられないのです。出店やイベントもなく、ただ練り歩いているだけ。そのことだけに多くの人が渋谷の街に集まる。渋谷ハロウィンが有名になったのも、いつの間にかという感じでしたよね。いつの間にか、有名になって、警察を動かすほどのエネルギーを持つ。実に奇妙な現象だと思います。

渋谷ハロウィンの参加者は地元の人たちよりも、地方の人たちが多いと聞きます。皆、東京という街、渋谷という街に【ゆめ】を見ているのではないでしょうか？　ハロウィンという名目で自己表現をしに来る。渋谷という街だからこそ、許され、実現できるという、憧れににも似た【ゆめ】をそれぞれが持つ……、Twitterやインスタなどの各種SNSで誰もが主役になれるこの時代。【ゆめ】を叶える為に、若者たちは渋谷に集まるのではないでしょうか？　新宿や池袋ではなく、渋谷だからこそ、この現象は起こったのだと思います。

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賛否両論ある現象です。痴漢やスリ、ごみ問題。便乗して集まる騒ぎたい人々、犯罪行為も行われました。渋谷の区長は「変態仮装行列」と切り捨てました。しかし、その一方で自主的に清掃活動を行う人たちなどもいたのも事実です。そして、これ程の人々が集まる自然現象はなかなかありません。このエネルギーは凄いものがあります。今よりも多くの人が笑顔になるポテンシャルを秘めているはずです。現に川崎のハロウィンは長い時間をかけて、地元の人々にも受け入れられるイベントとなりました。​来年以降の渋谷ハロウィンがどうなるか、いずれにしても、その動向が楽しみです。